東京高等裁判所 昭和28年(う)886号 判決
よつて先ず職権を以て調査するに、原審の判決宣告日である原審第六回公判調書によれば、同調書の被告人出頭別の欄に不出頭と記載されているから、原審は被告人不出頭のまゝ原判決を宣告したものであると断ぜざるを得ない。しかして新刑事訴訟法は、厳格に限られた場合の外は、被告人出頭の上判決の宣告をなすべきことを要請しているものであり、そして本件が判決宣告期日に被告人の出頭を要しない事件にあたらないことは明らかであるから、原審が被告人不出頭のまま判決の宣告をしたのは、訴訟手続に法令の違反があり、その違反が判決に影響を及ぼすことが明らかである場合に該当するものというべく、原判決は検察官の論旨に対する判断をまつまでもなくすでにこの点において破棄を免れない。